7月2日 危機的な状況の中で

パウロたちを乗せた船がクレテ島の良い港(付近)を出立してから14日目を迎え、アドリヤ海を漂っていました。(現在のアドリヤ海ではなく、クレテ島とマルタ島の間の海)この時 陸に近づいたのを感じた水夫たちは水深を測り、たしかにそのようであることを確認しました。船尾から錨を4つおろして夜明けを待つことになりました。しかし水夫たちは小船を降ろして自分たちだけ逃げようとしました。水夫たちがいないと大きな支障が出ることを知っていたパウロは百人隊長と兵士たちにこのことを伝え彼らの逃亡を防ぎました。パウロは翌朝早く 皆に食事を取ることを勧め、自身もパンを取って神様に感謝の祈りをささげ食べ始めました。これを見て船の人々も食事を取りました。この後彼らは残った穀物(麦)を海に投げ捨てさらに船を軽くしました。

パウロたちが置かれた状況に大きな変化は見られません。なお海を漂っています。陸地に到達できるのかは不透明です。食料も充分ではないでしょう。皆の体力には限界があります。そして気力・精神力にも限界があります。このような中で自分たちだけ逃げようとした水夫たちがいました。これは自殺行為ではありますが、このことは彼らの置かれた状況がいかに危機的なものであり厳しいものであったかを物語っていると言えます。この船にパウロは乗っていました。パウロはこの状況の中でアドバイスをし、リーダーシップを発揮しています。今回は危機的状況の中でクリスチャンにできることは何かを考えてみましょう。

I. 警告を与える →パウロは水夫たちが船から逃げようとしていることを知り、彼らがいなくなったら皆が助からないことを百人隊長たちに伝えました。成り行きに任せていてはいけない状況もあります。声をあげなければいけない事態もあります。死後の準備をせずに生涯を閉じてしまうならば恐ろしい現実が待っています。そのような意味で私たちの周囲の多くの人々は危機的な状況にあると言えます。彼らに警告を与え救いの方法を伝える責任を私たちは負っています。

II. 励ましを与える →パウロは二週間も(通常の)食事を取っていない皆に食事を勧めました。食べることは人が生きる上で基本的なことです。人々は極限状態に置かれたために食べるのを忘れたのか、食べる気力も失っていたのか、とにかく日常が失われていました。パウロの心・思いは常に同船の者たちに向けられていました。そして物質的・肉体的なことに関る適切な励ましを与えました。パウロにはそのような余裕があったのです。

III. 信仰を表明する →パウロは率先してパンをとり、神様に感謝し、食べ始めました。食べるという肉体的行為の中に霊的な意味が表されました。それは単にお腹が空いたから食べているというのではなく、どのような状況においても神様に感謝をささげることを忘れないパウロの信仰が表されたのです。人々は彼の行動に勇気付けられ自分たちも食べ始めました。信仰者だけが、信仰による行動をすることができます。私たちの行動が“まことの神様を信ずるゆえ”であることが人々の前に表されることは大切なことです。

まとめ:クリスチャンは危機的な状況にあって なお伝えるべきメッセージを持っている →神様が存在されるという世界観に立つことができるのはクリスチャンだけです。クリスチャンは、罪のあるところには罰があることを伝え、希望の光であられるイエス様を見上げる(頼る)ことを励まし、歩みをとおしてイエス様の素晴らしさ、クリスチャンとしての幸いを示すことができます。状況に左右されることのない神様の救いの計画をことばと行動によって示す、このことは個人的にも時代的にも危機的な状況にある人々を前にしているクリスチャンに与えられた重要な役割です。

 

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