牧師の独り言 Vol.12

「6歳ぐらいのこどもとお話するのは楽しい」これはあることの裏返し。人との関係においてコミュニケーションは常に付いてまわるものだが、これがなかなか難しい。相手の声に耳を傾けつつ、行間を読んだり、ことばにしていない部分を想像したり、そしてどのように応えるかということにおけることば選びなど、いろんな作業が同時進行している。正直疲れる。またことばにしていない部分をどう解釈するか、そこに何か発信されているのか、それはこちらのただの思い違いなのかなど、いろいろ考え始めると心は疲弊していくのを感じる。でも、「6歳ぐらいのこどもとお話するのは楽しい」裏表のない直球のキャッチボールができるから。こどもが「いいね」と言えばその通り「いいね」だ。「おいしいね」と言えばその通り「おいしいね」だ。そこには本音しかないし、こちらが疑ってかかる必要もない。こちらが投げかけることばも、そのまま受け取ってくれる。疲れないどころか癒される。しかし、大人となるとこう単純にはいかない。これを言うべきなのか、言うべきでないのか、という疑問で始まり、言ってよかったのか、言わないべきだったのかという疑問で終わる。どんなに慎重にしたとしても、コミュニケーションにおいて「やらかしてしまう」ことは避けられない。意思の疎通は永遠の課題と思えるほど。だからと言ってずっと黙っていることがいいわけではないし、それは現実的ではない。でも、発言をするのであれば、それは建設的・肯定的であるべきだし、人を励まし勇気づけるものであるべきだと思う。それがお世辞や見せかけなど人のご機嫌をとるためではなく、心の思いの純粋な反映であるようにすべきだ。神様が与えてくださったコミュニケーションという贈り物をどのように用いるか、神様に知恵を求めていく。それはことばを使い続ける限り続いていくんだろう。

 

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