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“三位一体”は聖書には登場しない言葉ですが、その概念は存在します。三位一体は以下のように説明できます。「唯一まことの神は、その神格の中に三つからなる永遠かつ同等の人格を持つ。 それらは本質において同一であり、存在において別個である。」 聖書の神は、本質（性質）において一つであられ、位格（人格）において三つであられるのです。
今回は、神様においてまったく矛盾のない、そして私たちにとっては神秘である三位一体について聖書が示しているところを学びたいと思います。
I. 旧約聖書は三位一体を示唆している
複数形の名詞・代名詞（1:26; 3:22; 11:7; イザヤ6:8）：神様を指すことばには複数形の名詞や代名詞が使用されています。
神格（位格）の区別（多重性）（ホセア1:7）：神様について二つの人格が存在していることを示す箇所が存在します。いくつかの箇所では、御父と御子が区別して表現され（詩篇2:7; 110:1）、御父と御霊が区別して表現されています。（創世記1:2; 6:3; 民数記27:18; 詩篇51:11; イザヤ40:13; 48:16; ハガイ2:4-5）
主の使いの存在：「主の使い」は殆どの場合において、肉体を取られる前の御子イエス様を指しています。主の使いは、ハガル、アブラハム、ヤコブ、モーセ、イスラエル（民族）、バラム、ギデオン、マノア、ダビデ、エリヤに現れました。また18万5千のアッシリヤ人は主の使いによって滅ぼされました。これらのことは御子を遣わす御父の存在を説明するものです。
（三重頌についてはイザヤ6:3、黙4:8を参照）
II. 新約聖書は三位一体を示唆している
神格の区別：イエス様がバプテスマを受けられた時、御父と御霊が臨在しておられました。（マタイ3:16-17） イエス様は「もう一人の助け主」を御父にお願いされました。（ヨハネ14:16-17） イエス様は、弟子たちへの“大宣教命令”の中に、御父、御子、御霊の名によってバプテスマを授けることを含まれました。（マタイ28:19） クリスチャンが賜物を用いるにあたって、御父、御子、御霊が共同の働きをされます。（Iコリント12:4-6） パウロの祝祷の文言にも神の各位格が区別して含まれています。（IIコリント13:13）
三位格の神性：①御父は神です。（ヨハネ6:27; ローマ1:7; ガラテヤ1:1,3）
②御子は神です。新約聖書はイエス様の神としての属性（ご性質）、みわざ、権威を明確に述べています。また旧約聖書で主について言われていることが、新約聖書ではイエス様について言われています。これはイエス様が旧約聖書の主と同一であることを示しています。さらに御子のいくつかの称号は神性を示し、位格間の一体性・関係性（並列性）は御子が神であることを説明します。御子は礼拝の対象であり、御子ご自身がそのことを意識され主張されています。（次回、御子の神性に焦点をあてて学びます。）
③御霊は神です。（後日学びます。）
まとめ： 私たちは三位一体の神によって造られ、生かされ、導かれている
神様が三位一体であられること（三位格性）は、（神秘ではありますが）神様の一体性と矛盾することなく、その区別は永遠であり、各位格は同等です。父なる神様はこの世界を愛され（ヨハネ3:16）、私たちを救いに選び（Iペテロ1:2）、良いものを与えてくださいます。（ヤコブ1:7） 御子イエス様は私たちのために十字架の苦しみを受けられ（マルコ8:31）、贖いを実現し（Iペテロ1:2）、すべてのものを保っておられます。（ヘブル1:3） 聖霊なる神様はクリスチャンにちからを与え（使徒1:8）、人を再生し（テトス3:5）、聖化へと導いてくださいます。（ガラテヤ5:22-23）
御子イエス様の存在ゆえに私たちは神を知ることができ、救いをいただく者とされました。また御霊がおられるゆえに、イエス様の昇天の後（現在）も、信仰の歩みが整えられます。御子も御霊も私たちに真理を示してくださいます。そして日々、イエス様のお名前により、御霊に導かれ、父なる神様に祈りをささげることができるのです。
