10月21日 ことばなるお方の先駆け

使徒ヨハネはことばなるお方の永遠性、そして受肉前の創造のみわざについて述べた後で、バプテスマのヨハネについて書いています。春の先駆けはウグイスと言われますが、肉体を取られたイエス・キリスト様の先駆けはこのヨハネでした。彼はことばなるお方が地上でのお働きを始められる前に重要な役割を果たしたのです。今回は彼について学び、私たちが適用すべきことがらについて考えたいと思います。

I. 彼は神様から遣わされた (6節)
彼はある時現れました。当然ですが彼には存在の初めがあったのです。永遠のご存在のことばなるお方との相違をここに見ます。彼は神様の権威を受けた代表としてこの世に出たのです。旧約の時代以降約400年の、神様からの啓示のない“沈黙”を破って彼は遣わされたのです。彼についてはすべての福音書が記していますが、ヨハネの福音書は彼の機能や役割を強調しているのが特徴です。彼はバプテスマのヨハネです。使徒ヨハネは彼のキリスト様の先駆けとしての重要性を述べ、キリスト様(神様)に従う立場(役目)であることを強調しています。(ルカ1:17; ヨハネ3:28; 使徒19:4)

II. 彼は証しのために遣わされた (7節前半、8節)
「あかし」はこの書で重要なことばの一つです。この書には「光」なるお方についての証しが随所に見られます。(1:19-51; 3:27-30; 5:35) これがバプテスマのヨハネが遣わされた目的です。(15節、21:24) 彼の証し・説教は、キリスト様の登場に先立つ準備であったのです。(マタイ3:11-12; マルコ1:1-8; ルカ1:17; 3:15-17)
ヨハネの福音書には彼以外によるキリスト様についての証しも多く記されています。
①サマリヤの女性 (4:29)
②主の働き (5:36; 10:25)
③御父 (5:32-37; 8:18)
④聖書 (5:39-40)
⑤群衆 (12:17)
⑥聖霊 (15:26-27)
⑦弟子/使徒達 (15:27)
⑧主ご自身 (8:14, 18; 18:37)
バプテスマのヨハネは「光」そのものではなく「光」の証人であることを明確にしています。たしかに彼自身の人となりや働きは重要なものです。共観福音書では常にキリスト様のお働きに先立って彼が紹介されています。また使徒たちの説教や会話においても、彼の存在が目印(基点)となっています。(使徒1:21-22; 10:37; 13:24) またキリスト様ご自身も、彼の偉大さについて述べておられます。(マタイ11:11)
しかしバプテスマのヨハネはメシヤ(救い主)なるお方の到来を告げ知らせた先駆けに過ぎないのです。彼は「燃えて輝くともしび」です。(ヨハネ5:35) ともしび(ランプ)の役割は光りを見せることです。彼は光なるキリスト様を示す“器具”としての役割を果たしたのです。

III. 彼は人々が信仰を持つために遣わされた (7節後半)
バプテスマのヨハネの証しには、それに続く結果が想定されていました。それは、彼を通して語られるキリスト様を人々が信じることです。彼は、人々が光なるお方を受け入れるために、そして救われるために遣わされたのです。

まとめ:神様から遣わされた者は、忠実に使命を果たし、実を結ぶ
私たちは、バプテスマのヨハネと同じように務めを果たすということはおそらくないでしょう。しかし彼が神様から遣わされ、神様の目的を果たし、その実を見ることができたことの中に私たちが適用すべきことを見ることができます。私たちも神様によって造られた存在であり、神様のご計画と目的の故に今、この時代に、この場所に置かれています。そして私たちが神様からいただいたもの(賜物・才能・機会等)を神様のために用いる時に、神様はその働きを祝福し、良い物を生みださせてくださいます。その働きの中には主を証しすることも当然含まれます。自分がどこから来たのかを知り、今の(霊的)立場を認識する時に、神様の目的のために生きることを喜びとし、良い結果(実)を提供する者となることができるのです。

 

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