主イエス・キリスト様の十字架の死による結果は私たちの想像を超えるものです。その結果の中には新しい秩序の始まりが含まれます。一つの大きな変化は宗教的律法の除去です。
先ず、イエス様の完全な犠牲によって旧約時代の儀式は廃止されました。旧約時代に行われてきたことは影であり模型です。かつては罪の処理のために、毎年同じいけにえがささげられなければなりませんでした。しかし、雄牛ややぎの血が流されることによって、人の罪が取り除かれたということではなく、罪が処理されたと一時的にみなされてきたにすぎません。イエス様がおいでになり、それらの儀式は不要となりました。それらはイエス様を指し示す見本であり、イエス様によって排除されたものです。(へブル10:1~14; 7:18)
次に、イエス様はすぐれた契約の保証となられました。(へブル7:22)十字架刑に際し、イエス様自らいけにえとなられ、祭司となられました。イエス様は私たちの、ゆるし・平安・喜びの実現のために手続きをしてくださいました。私たちの側に求められているのは、聖書(契約の書)に記されていることを信ずることです。聖書が語っているように、イエス様を信じた者は神の子であること、永遠のいのちをもっていること、そして聖霊なる神様が内に住んでおられることなどを知るのです。みことばの教えを受け入れていくと同時に自らの変化を認識する中で確信へと導かれていきます。
さらに、旧約時代の祭司制度は廃止され、キリスト様を信じる者が新しい祭司とされました。(へブル9:8; 10:19~22; Iペテロ2:9)私たち一人ひとりはイエス様にあって、神様に近づくことができ、祭司の務めをさせていただく特権を得ました。それには「王」としてある領域を支配する責任も含まれているのです。
イエス様の死は、私たちと神様との関係において、変化・改革をもたらすものです。同時に旧約から新約への移行の中で、根本の教えは受け継がれたことも事実です。この新約の時代に主の者とされた私たちは、与えられている素晴らしい立場を顧みつつ、自らの務めを全うするものでなければなりません。