10月7日 ことばなるお方の正体

ある方は、人の人生を変える鍵は「言葉」であると言います。“肯定的なことを言い続ければ思い・考え方が変えられ、自身の夢が叶うことにつながっていく”と。
ヨハネの福音書は「ことばなるお方」の紹介で始まっています。そして筆者の使徒ヨハネは、このお方がどのようなお方であるかを知り信じることによって、人の見方が変えられ、人が本当に求めている幸せを手にすることができると教えています。今回は先ずこのお方の永遠のご性質と創造のみわざについて学びたいと思います。

I. ことばなるお方の永遠のご性質(1~2節)
冒頭に「初めに」とあります。これは創造前のことですが、「ことば」の存在の始まりがあったことを説明しているのではありません。最初の文は創世記1:1を思い起こさせます。神様が“ことばによって行動された”場面です。クリスチャンの上に成された新しい創造にも共通点があります。(詩篇107:20; イザヤ55:11)
「あった」とは、「ことば」が時を越え継続的に存在していることを説明しています。「ことば」なるお方が、肉体を取られる前から存在している、つまり永遠に存在しているということです。(ヨハネ8:58)
筆者のヨハネは、「ことば」(ロゴス)として神の御子イエス様を紹介するにあたり、ユダヤ的(旧約の)考えや、ギリシャ哲学を借用したのかもしれません。いずれにしても、イエス様は神を示すお方であり、神の知恵とちからを示すお方であることをこの「ことば」に込める意図があったのでしょう。神様は人とコミュニケーションを取ることをお求めになり応答をお求めになるお方です。
「ことば」なるお方は「神とともにあった」とあります。これは御子イエス様の父なる神様との愛の関係を示しています。同時に御子が御父と同じく神であり、それでいて区別がある(別の人格である)ことを説明しています。
「ことばは神であった」とは、「ことば」なるお方が、神としての同じ性質を持っておられるという意味です。(イエス様が“神のような天使のような存在である”というのでは決してありません。)

II. ことばなるお方の創造のみわざ(3~5節)
「ことば」なるお方が神であることの事実は、このお方の創造のみわざによって裏付けられます。3節では「ことば」なるお方によるみわざが肯定的に、また否定的に説明されています。(この節は創世記1章の要約です。)すべてのものは御子イエス様によって、存在するに至ったのです。それはイエス様が被造物にまさるお方であり、被造物の中に含まれない存在であることを意味しています。(詩篇33:6; コロサイ1:16; ヘブル1:2; 黙示録3:14)
このお方は自らいのちを有しておられ、ご自分で存在しておられます。(ヨハネ5:26)それゆえ、人に肉体的いのち、そして霊的いのちを与えることができます。クリスチャンはどちらのいのちにも与っているのです。(ヨハネ17:3; 3:15; エペソ2:5)
「ことば」なるお方からは光がはなたれます。イエス様は「まことの光」(9節)です。(Iヨハネ1:5; 詩篇119:105; 箴言6:23)
「人の光」は神様がこの世界で行っておられることについての理解を人に与えます。神様が、そして人がどのような存在であるか、そして御子イエス様が人にとっての究極の希望であることを指し示すのです。
「やみ」はこの光に反対するものです。罪によってこの世界はやみに包まれています。そして、やみの中にとどまることを好むのです。しかし、「ことば」なるお方の光によって霊的やみが一掃されるのです。やみはこの光を理解することもなければ、打ち消すちからもないのです。(Iヨハネ2:8)

まとめ:ことばなるお方は神であられる
ことばなるお方は神の御子イエス・キリスト様です。神であられ人であられるお方です。このことがこの書の導入(序論)部分である18節まで説明されています。私たちはこのお方のご性質とみわざ、そして教えに注目するのです。そのメッセージに、そのことばに注目し耳を傾けるのです。このお方を知る時に、まことの礼拝・賛美・感謝を神様にささげることができます。そしてこの知識・認識に基づいて教えを受ける時に、信じ従い仕えることへと導かれていくのです。自身のことばで自分に暗示をかけるようなことでは根本的な解決は見つからず、本当の幸いは経験できません。ことばなるお方のことばが、メッセージが、そして真実が人の心を、人生を、そして永遠を変えるのです。

 

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