4月13日 イエス様の流血の意義

クリスチャンのいただいた救いは恵みによるのであって、行いによるのではありませんが、イエス様の行い(みわざ)がなければ、このことは実現しなかったことを忘れてはいけないと思います。イエス様は尊い血を流して十字架で死んでくださいました。イエス様の血は犠牲という行いの伴った血です。今回はイエス様が血を流してくださったことが、私たちに対してどのような意味をもっているかパウロの書いた書簡(手紙)を中心に考えます。

①     なだめの供え物としての血 (ローマ3:25) →聖い正しい神様は罪を憎まれ、罪に対して怒りをもっておられます。そのため罪のある人間は神様の怒りの対象です。罪人の死とその後のさばきは神様の罪に対する姿勢を明確にしています。この神様の怒りがなだめられることがないとすれば、誰も救われる人はいません。神の御子であられるイエス様は「なだめ役」として相応しいお方です。そして罪のないお方として血を流すことによって父なる神様の怒りをとどめられたのです。

②     義認のための血 (ローマ5:9) →人間は神様の基準で生きることができない存在です。どのように頑張っても神様に「正しい者」としては見ていただけない存在です。(ローマ3:20) そのような人間が救われて天の国に入ることは全く期待できません。イエス様の流してくださった血は無力な罪人に対して、神様の前に「正しいと認められる」方法を備えました。それは神様が本来罪のある者を罪のない者として取り扱うための、正当な手続きでした。イエス様の死は罪人が無罪として扱われるのみでなく、(積極的に)正しい者として認めていただくことを可能としたのです。私たちはただ信ずるだけで義と認めていただきました。それはイエス様の流血という「下準備」があってはじめて実現したのです。

③     交わりのための血 (Iコリント10:16) →イエス様が十字架にかかられたのであって、私たちは誰一人十字架の苦しみを経験していませんが、イエス様を信じた者は霊的にイエス様の「血に参加している」者として扱われています。イエス様の身代わりの死において、私たちも「共に十字架につけられた」とみなされているのです。その結果 イエス様を通して神様と交わる(つながる)者とされ、他のクリスチャンと霊的には一つとされているのです。聖餐式においてはその現実を象徴的に覚え、交わりの祝福を確認するのです。

④     新しい契約のための血 (Iコリント11:25-26) →旧約時代においては罪を犯すたび毎に動物が身代わりに殺されました。この方法によっては「完全な救い」は得られませんでした。(へブル10:1) しかし聖い完全なイエス様の死によって、完全ないけにえがささげられました。完全な救いの約束がイエス様の流血によって実現したのです。クリスチャンはこのイエス様の死の意味を証しする使命があることも忘れてはいけません。

⑤     贖いのための血 (エペソ1:7) →罪人は罪の奴隷の状態にあり、神様との関係は断絶し、神様の前で価値のある生き方が不可能な者です。イエス様の死は罪人の「買戻し」を可能としました。イエス様の血の代価によって私たちは解放され、神様との幸いな関係に入れられ、神様のために生きる自由をいただきました。それはただ神様の溢れる恵みによることです。

⑥     罪のゆるしのための血 (エペソ1:7) →すでに述べたように、罪人は神様との断絶状態にあり、霊的に死んでおり、神の怒り(死後のさばき)の対象です。これらの問題の根本原因である罪がゆるされるという驚くべきことをイエス様は実現してくださいました。イエス様の犠牲によって私たちの過去・現在のみならず、これからも犯すであろう罪をも含めてゆるしの準備がなされたのです。イエス様を救い主として信じた人の罪を神様は完全にゆるしてくださり、忘れてくださるのです。

⑦     和解のための血 (エペソ2:13、コロサイ1:20) →和解の必要があるのは罪のある人間の側であって、神様の側ではありません。しかしながら、神様の方から罪人との和解のために行動を起こしてくださいました。イエス様は人間の側に立って神様との仲介役をしてくださいました。イエス様の死によって、私たちには神様からの怒りが来ないだけでなく、親しい交わりの関係が与えられているのです。(へブル10:19-20)

まとめ: イエス様の血の効力を適用された者として、その流血の意義(意味)を深く想いましょう
→イエス様の血は目的をもって流されたものです。そしてその血は私たちの究極の問題を解決し、究極の幸いを実現しました。今週はイエス様の「受難週」ですが、イエス様の死、その流血(そしてそれに続く復活)の事実が私たちとの関係においてどのように意味深いものであるかを深く黙想しようではありませんか。

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