5月19日 信ずることの意味

人が何かを信仰する、或いは頼る時、多くの場合それは“ご利益の期待”のためではないでしょうか。健康でいられるとか、商売が繁盛するとか、悪い物が寄り付かないとか、悪い事柄が消滅するとかといった自分の生活における利点を求めるためではないでしょうか。信仰の対象の神々がどのような存在であるのかを知るとか、その神々と個人的な関係を持つという発想はそこに存在するのでしょうか。望む物が手に入ればいい、望む状況が現実のものとなればいいという感覚なのではないでしょうか。
もし人が同じような感覚でイエス様を信じようとするならば、その人は失望するでしょう。キリスト教はご利益宗教ではないからです。
イエス様が地上を歩まれた時にも、ご利益的にイエス様に近づいてきた人々は多くいました。しかし彼らの多くはしばらくして離れていきました。彼らのイエス様に対する信仰はイエス様がお求めになるものではなかったからです。それは信仰と呼ぶことができるものではありませんでした。今回はイエス様が不信仰な人々をどのように取り扱われるかについて学びたいと思います。(ヨハネの福音書4章43~54節)

I. 人々の不信仰を予期される主 (43~45節)
イエス様は、二日間滞在されたサマリヤを去って、ガリラヤに向かわれました。そこでイエス様は歓迎されました。しかしそれは、人々がイエス様の行った「しるしや不思議」を見たからです。必ずしもイエス様の正体を知り(或いは知ろうと願い)信じたからではありません。それが、イエス様はご自分の同胞であるイスラエルの人々から尊敬を受けることがないと仰られた意味です。サマリヤの人々はイエス様に対して正しい応答をし、(イスラエルを代表する)ガリラヤの人々は心を閉ざしたままでした。そこには、イエス様の奇蹟に重点を置くゆえの不信の心が示されています。

II. 人々の不信仰を正される主 (46~49節)
ガリラヤのカナで、王室の役人が病気の息子が癒されることを願ってイエス様のところに来ました。この役人の関心は死にかかっている息子が助かることであって、イエス様がどのようなお方であるかということではありませんでした。それゆえイエス様は、「あなたがた」(ガリラヤ人全体)は「しるしや不思議」を見ることがなければ信じないと、彼らの心を責められました。イエス様のお働きにおける目的は、単に癒しのわざをすることではなく、人の中に(神様に対する)真の信仰(委ねる心)を生じさせることなのです。

III. 人々の不信仰を打ち負かされる主 (50~54節)
不信仰で奇跡を求める者に対して、イエス様はあわれみと慈愛深さをあらわしてくださいました。役人は「帰って行きなさい。あなたの息子は直っています。」というイエス様のことばを受け入れ、帰途につきました。彼はイエス様の指示に従ったのです。見えるところにおいては、息子が回復するという確信のないまま、死にかかっている息子のもとへと帰っていったのです。これは彼が(真の)信仰を表現し始めたということです。彼は強いられるかたちで信仰を学んだのです。この役人はイエス様のことばの瞬時の効果を知ることとなりました。そのタイミングは奇蹟であり、息子が回復したことは、その状況で起こりうることを越えていることを知ったのです。彼はイエス様と出会い、息子の癒しを経験し、これは単なる偶然ではないことを悟ったのです。彼のイエス様に対する信仰は家族へと広がっていきました。

まとめ:イエス・キリスト様を信ずるとは、イエス様と個人的な関係に入ることである
イエス様を信ずるとは、神様との間で利害を絡めた取引をすることではなく、正しい関係を築くことです。絶対的なお方であることを認め、恐れ敬うのです。神様の前における罪の問題を抱えている現実を受け止め、謙虚に悔い改め、赦しを請うのです。それにより神様との関係が回復します。イエス様を通して与えられる唯一の救いの方法を受け取り、永遠の幸福の約束をいただくのです。神様のご性質・みわざの素晴らしさを継続的に知ることで、神様に関する知識が豊かになり賛美の心が増していきます。イエス様に継続的に依存することにより、信仰者としての成長が継続します。目の前の状況が変わっても、どのようなことが自身の上に起こっても、神様に対する考えを変えないのです。あなたは、イエス・キリスト様とこのような関係に入りましたか。

 

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