5月29日 この世の現実を知れ

あるクリスチャンは「世的」ということばを使います。このことばは常に否定的な意味で使われると言っていいでしょう。この世=世間とは、そんなに悪いところなのでしょうか。もしそうだとするならば、どのような意味で悪いところなのでしょうか。今回は、使徒パウロがアテネで経験したことから、この世の現実について考えてみたいと思います。(使徒の働き17:16~21)

I. この世は偶像で満ちている (16~17節) →学問や哲学で有名であり、当時のギリシャの宗教・文化の中心であるアテネに到着したパウロが目にしたのは、偶像の多さでした。公共の場には3万を超える像が存在し、それに加え各家庭には数え切れないほどの偶像があったようです。心の内に怒りを覚えたパウロは神様のみことばによって人々と論じ始めました。
この日本にも偶像が満ちています。偶像そのもの、そして偶像崇拝的物品や行事・習慣がいかに多いことでしょう。まことの神様はどのようなお心でそれらをご覧になっていることでしょう。また「宗教的」な偶像に限らず、まことの神様から目を、そして心をそらしている物事、偶像的な物事がいかに多いことでしょう。まことの神様を知り礼拝しているクリスチャンは、「宗教的」な偶像には関わりを持っていないかもしれませんが、本来まことの神様が座をしめなければならない場所に他の何かが居座っているということはないでしょうか。クリスチャンは自らを点検するとともに、この世にあってまことの神様を知らせる存在とならなければなりません。

II. この世は聖書のみことばを軽んじる (18節) →アテネの哲学者たちには、それぞれの主張・信仰というものがありました。彼らは神様のみことばを語るパウロに対して、見下げた思いがあったのでしょう。“どこかで拾ってきたような教えに何か価値があるのか”というように。アテネの人々にとってパウロの語る「イエスと復活」は異質のものであったことは確かです。
偶像が満ちているのはまことの神様がわからないからです。「神」について混乱しているからです。多くの日本人も同じです。まことの神様がわからないため、自身が造られた存在であることを知りません。ですからまことの神様の権威を認めるということはないのです。そのような世の中は秩序がなく混乱しても不思議ではありません。物事はただ、人間の(不完全な)知恵と都合によって定義づけられ決められていくのです。まことの神様を知り、みことばをいただいているクリスチャンは、みことばの権威を再確認し、真の幸いへと導くみことばをこの世にあって発信していかなければなりません。

III. この世は満足を提供することができない (19~21節) →パウロの語ることに懐疑的であった哲学者たちではありましたが、彼の語る「新しい教え」に一定の興味を示し、彼に語る機会を与えました。アテネの人々が“新しいもの好き”であったことも影響したようです。
聖書に興味を持っている人は日本にも少なからずいると思います。しかし、その興味が知的な部分で止まってしまうことがしばしばではないでしょうか。聖書のみことばを文字通り自分の人生にあてはめようとはなかなかできないものです。“聖書は良い教えである”との認識を持ち、自分に都合の良い部分については取り入れてもそれ以上には発展しないことが多いのです。一方、この世の中は常に「新しい」ことを求め、流行を追い求めます。それは決して満足には到達しない状況です。そのような中で聖書は古い書物という扱いになります。
クリスチャンであるあなたはみことばによる満足を経験していますか。みことばは、変わることのない神様からの真の満足を(いつの時代においても)提供します。この世ではなく、みことばに心を向け、その豊かさを経験しましょう。

まとめ:この世に身を置いているクリスチャンは、主に属する者としてこの世に対して みことばにより武装しなければならない →この世は悪魔の権威の下にあります。(まことの神様の支配はその上にあるわけですが)クリスチャンは悪魔の権威から御子の国へとすでに移されていることを自覚しましょう。(コロサイ1:13) 悪魔はこの世においてあらゆるものを用い、神様から(真実から)目をそらせようとしていることを覚えましょう。悪魔は様々な「偶像」を世に送り込んでいます。悪魔は「神概念」を混乱させています。悪魔は「新しいもの」を見せ続け、まことのものに気付かないようにしています。救いをいただき、イエス様に属する者となったあなたは、悪魔に惑わされてはいけません。この世に同化していってはいけません。みことばにしっかりと根をおろしましょう。神様からのみことばによって満足し、堅実な信仰生活をするために。

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