6月11日 みことばは生きるちから

“生きるちから”とは、一般的には、変化の激しい社会の中で生き抜いていくちからであると説明されています。そのちからはどこから来るのでしょうか。どのようにしてそのちからが育まれるのでしょうか。そしてそのちからが必要である理由はどこにあるのでしょうか。
使徒の働きでは、みことばに関連するメッセージが多く含まれていますが、今回の箇所もそうです。みことばは人にとって、そしてクリスチャンにとっての生きるちからです。今回の箇所はパウロが総督フェストやアグリッパ王を前にした弁明の最後の部分です。この箇所からみことばについて改めて学んでみましょう。(使徒の働き26:24-32)

I. みことばは真実で確かなメッセージ(24-25節)→パウロの弁明は、個人的なイエス様との出会いに関する体験談と救い主イエス様についての証しを含むものでした。しかし、総督フェストは、学識のあるパウロともあろう人が死者の復活を信じていることについて理解できない様子で、パウロは気が狂っていると思いました。パウロは、自分は理解され証明しうることを語っていると主張しました。
聖書の真実に固執するクリスチャンは“原理主義的”で危険であると思われることもあるでしょう。しかし、聖書のみことばは、神様からのものです。みことばは真実であり、それは神様の御性質を反映しています。永遠の神様のみことばは永遠に立ち続けます。みことばは、人がどこから来て、何のために存在し、どこへ向かっているかについての真実を提供します。この確かな神様のみことばを私たちは信ずることができ、信頼することができるのです。

II. みことばはすべての人に必要なメッセージ(26-27節) →パウロはアグリッパ王がユダヤ人についての一定の知識があり、約30年間語られてきたイエス様の死と復活について把握していることを承知していました。その上で王の(みことばに対する)信仰について問いかけました。
パウロは王に対して遠慮することなく語りました。彼には、捕らえられ、縛られ、また殺されそうになっても語り続ける理由がありました。それは皆がこのみことばを必要としているということです。このメッセージは特定の民族・地域・時代に限定されないものです。神様の前に罪があり、さばかれることが時間の問題である、危険な状態にあることを知らせるのに遠慮はいりません。みことばはすべての罪人に必要なメッセージです。あなたはその一人ですか。そしてその一人であることを感謝することができる人ですか。

III. みことばは人を新しくするメッセージ(28-29節) →パウロの問いかけを受けたアグリッパ王はジレンマに立たされました。彼の個人的な考えがどのようであれ、自分が、「狂気」とされることへの信仰を公に表すほど“愚か”になることはできませんし、ユダヤ人の手前、パウロが語ることを明確に否定することも躊躇したのでしょう。彼の応答はパウロへの問いかけの含みがあるようです。“あなたはこの短期間(あるいは短い話)で私がクリスチャンになるように説得することができると思うか”と。パウロはみことばに触れる(時間的・量的)程度に関係なく、自分のように救われることを願っていることを伝えました。
パウロはイエス様と出会って人生が変えられました。それは神のみわざによることです。パウロのようになるとは、みことば(真実)と向き合い、みことばに正しく応答し、みことば(そして聖霊)の導き(支配)に自身を委ねることです。人はイエス様によって救われ、イエス様にあって成長し、イエス様に用いていただくことができるのです。これがイエス様にあって経験することができる本当の自由です。

パウロの弁明は終了しました。次の章で彼はいよいよローマへと旅立ちます。かつてイエス様は、総督も王も“無罪”とする中で、十字架へと送られました。パウロも同じように総督と王に“無罪”とされる中でローマへと送られていくのです。

まとめ:みことばにより信仰者は生まれ、立ち、成長を続ける →みことばは人を新しく生まれさせます。そしてみことばは新しく生まれた人の歩みの確かな土台となり、成長を促進します。聖書のみことばはあなたの生きるちからとなります。まずみことばを信じて受け入れてスタートラインに立ちましょう。そしてみことばの上に立ち続け(みことばを信じつつ)、みことばにより成長させていただきましょう。

 

 

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