8月27日 御心によるガラテヤ書

使徒パウロは回心後の宣教旅行において、ピシデヤのアンテオケ(使徒13:14)、イコニオム(使徒13:51)、ルステラ、デルベ(14:7)に福音を伝え教会を建てました。これらの諸教会に対して彼が書いた手紙がガラテヤ書です。時はエルサレム会議が開かれた49年頃と考えられます。パウロがこれらの地域を伝道してまもなく、ユダヤ主義の偽教師たちが侵入し、パウロの立場も教えも否定し始めました。そしてモーセの律法を守らなければ救われないと主張したのです。パウロは危機感を覚えました。そして自身の語った福音の真理を明確にし、人々をこの真理に回復させる必要からこの手紙を書いたのです。それはイエス様に対する信仰とイエス様にある自由の防衛を目的としていました。パウロは手紙において、義認(イエス様を救い主として信じることによって神様の前に正しいと認められること)の説教者として、歴史的(個人的)メッセージ(1-2章)を、また義認の原則を教える教理的メッセージ(3-4章)を、そして義認の特権を教える実践的メッセージ(5-6章)を書き連ねました。
今回は手紙の冒頭の挨拶文から神様の御心による以下の三点について考えたいと思います。(ガラテヤ1:1-5)

I. 神の御心による召し:神様は人をお召しになる(1-2節)→使徒は神様からの権威をいただき神様の目的を果たすために遣わされた人のことです。パウロがこの使徒職に就いたのは神様の御心によります。単にパウロ自身の意思であるとか、人々の話し合いによる決定というのではなく、復活されたイエス様の直接的な承認によるものであることをパウロは強調しています。
イエス様による救いは神様の召しです。そして何らかのかたちで神様にお仕えすることも神様の召しです。これらは神様の御心によることです。

II. 神の御心による祝福:神様は人を祝福される(3節)→パウロはガラテヤの諸教会のクリスチャンの上に、父なる神様とイエス様の恵みと平安が注がれることを祈りました。恵みは、受ける資格のない者が授かる神様の愛顧です。罪のある人間にゆるしが与えられ、永遠のいのちが与えられたのはこの恵みによります。そしてさらにクリスチャンの歩みが整えられ成長していくのもこの恵みによります。平安は、神様の恵みにより救われたクリスチャンが神様との間で(また人との間で)持つことができるものです。救いが人の行いによって実現するのであれば、それは恵みではなく、平安をもたらすものでもありません。神様に認めていただき、永遠の安全と幸いを確保するために充分な行いをしたかどうか確かに知ることができないからです。救いが神の恵みによるものであり、その結果平安を経験するのであれば、クリスチャンの日々の歩みも神様の恵みによるものでなければなりません。神様は人を、そしてクリスチャンを祝福したいお方です。祝福は神様の前に謙る者に豊かに与えられます。

III. 神の御心による救済計画:神様は人を救われる(4節)→パウロは他の手紙にはない一文をここに挿入しています。神様の救いの計画は、悪魔によって支配されている社会のシステムや価値観から私たちを解放することも含んでいます。その実現のためにイエス・キリスト様はご自身を提供してくださいました。罪人として生き、罪の世界で生きていた私たち、神様の前に処理不可能な問題を抱えていた私たちのためにイエス様は死んでくださり、助かる方法(そして悪に勝利する方法)を私たちに備えてくださいました。このことを神様は御心とし、計画してくださったのです。

神様の御心、お考えが人の上になされる、そのことを思う時にパウロは神様に栄光を帰したい思いに満たされました。(5節)「悪の世界」は過ぎ去っていくものですが、神様の栄光、そして神様に栄光を帰することは永遠に続くことです。

まとめ:私たちは神様に栄光が帰せられるために御心により選ばれた →私たちは神様のご計画により召され、恵みを賜り、救われました。この事実には神様の深い御心があります。それは、私たちが罪のゆるしと永遠のいのちをいただくのみならず、生涯において主のために生き、主に仕え、主に喜んでいただくためです。私たちを通して神様がほめたたえられること、それを神様は喜んでくださいます。そのために私たちはなおみことばの真実によって教えられ養われる必要があるのです。

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