9月9日 霊性が問われる実践的ススメ②

パウロは前回に続いて、霊性が問われる振舞いについて語りますが、今回は経済的な事柄に関する取扱いについて触れます。今回の箇所では、具体的にお金のことが書かれてはいませんが、以下に記す点から、パウロはお金の使い方を念頭に置いていると言うことができます。
①6節の“分け合う”ことについて、7~9節で話を広げ、10節でこのテーマに戻り、施し・支援などを指すと思われる「善」について語っていること。
②7節の“蒔く/刈る”に関することわざを、パウロは献金を励ます場面(IIコリント9:6)で使っていること。
③当時パウロはエルサレムの貧しいクリスチャンのための献金を重要視したこと。
以上のことを踏まえて、主の働きのため、主にある兄弟姉妹のために、どのような実際的なススメがなされているのか学びたいと思います。

I. 良いものを分け合いなさい(v.6)
*誰が→「みことばを教えられる人」
*誰と→みことばを「教える人」
*何を→「すべての良いもの」

パウロ自身は、自ら働いて生計をたて、お金をもらわないでみことばを語りました。(Iテサロニケ2:9)それは、彼の働きが開拓的働きであったという事情があるとは思います。しかし、パウロは“働く者が働いた分を受ける”ことを当然のこととして書いています。神様に、そして教会に仕える者(牧師等)を経済的にサポートすることは、厳格な義務というよりも、主にある“交わり”であり“パートナーシップ”(協力)です。「分け合」うことは、交わりを実践するという意味があります。みことばを語り教える者が、霊的に良いものを分かち合い、それを聞き教えられる者が、物質的な良いものを分かち合うこと、これは神様が求めておられることです。
(Iコリント9:11-18; Iテモテ5:17-18)

II. “蒔く/刈る”の原則を覚えなさい(vv.7-9)
*自分を欺き神様を侮ってはいけない:教会の働きは神様(御霊)の働きと、教会を形成するクリスチャンとの“共同/協働作業”ですが、この働きの前進においてもこの原則が適用されます。「侮」るとは、鼻をつんとあげ、軽蔑する姿勢です。神様に対してそのようであっては決していけません。少し蒔いて多く刈り取ろうとか、悪いものを蒔いて良いものを刈り取ろうと考え行動することは、神様をばかにする行為です。
*蒔いたものに応じて収穫がある:肉のために蒔けば滅びを刈り取り、御霊のために蒔けば永遠のいのちを刈り取ります。「肉のために」は“肉に対して”とも訳すことができ、「御霊のために」は“御霊に対して”とも訳すことができます。いずれにしても、与えられたもの(お金・時間・才能など)を自分の欲を満たすために用いるか、神様のために用いるかによって結果は変わってくるということです。「滅び」は傷んだ食べ物に使われることばです。肉のために蒔くのであれば、それは神様の前に価値のある結果をもたらすことはないということです。「永遠のいのち」は死後の終わりのない時間とともに、神様がお喜びになる質の高い豊かな歩みを意味しています。(しかしここで“行いによる救い”を教えているのではありません)
*善を行い続ける者には収穫の時が来る:パウロは(自身を含めて)、善を行うことについて心を失ってはいけない、疲れてはいけないと言っています。“忠実な良い種まき”がなされる先には霊的な収穫の時期が待っています。必要な準備がなされるならば、収穫は確実です。

III. 善を行いなさい(v.10)
善を行う相手は、「すべての人」であり、「特に信仰の家族の人たち」です。私たちの信仰生涯全体が、キリスト様のお名前において奉仕する「機会」であり、その特権が与えられているのです。私たちが(他の人たちよりも)肉親に対して配慮し、必要を満たすために動くように、神の家族である兄弟姉妹に対して善を行うことに、積極的また効果的に行動するよう励まされているのです。
(ヨハネ13:35; Iヨハネ4:21)

まとめ:主がお喜びになる教会は、良いものを分け合い、御霊のために蒔き、善を行う群れである
クリスチャンであることの特性、御霊に導かれる人の霊性は、具体的・実践的にあらわされるものでなければなりません。これらのススメが単に頭の中で理解され、理想として認識されるのではなく、個人の歩み、教会の歩みにあらわされる必要があるのです。主はそのようなクリスチャンの群れをお喜びになり、祝福し、良い実を結ばせ、また収穫させてくださるのです。

 

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