5月14日 まことの神に望みを置く

使徒パウロはアグリッパ王の前で弁明する機会を得ました。総督フェストがすでに、パウロがローマの法に触れることはしていないことを明確にしています。ですからパウロは、ユダヤ教に反することをしているとの訴えに対する弁明に集中したと思われます。アグリッパ王は総督ペリクスやフェストとは違ってユダヤの律法と伝統に精通していましたが、パウロは自身の擁護のためではなく、王たちが回心することを目的として語ったのです。パリサイ人として生活してきた彼は、他のユダヤ人と同じ望みを共有していることを強調しています。その望みは神様の約束に基づく望みであり、メシヤ(救い主)と御国の到来に関することです。(使徒1:6; 3:22-24; 13:23-33; 創世記3:15; イザヤ7:14; 9:6; ミカ5:2; ダニエル7:14; テトス2:13; Iペテロ1:11-12) それにもかかわらずユダヤ人たちはパウロを訴え、死者(特にイエス様)の復活を信じないでいます。かつてはパウロも救い主イエス様に反対し、激しい暴挙をはたらいていましたが、神様によって変えられたのです。今回は私たちクリスチャンの過去の望み、現在の望み、そしてその望みによる変化について考えたいと思います。

I. 私の過去の望み →人は何かに望みを置いて生きています。それが人・金・モノ・立場などであったりします。パウロの場合はパリサイ人としての信念にあったと言えるでしょう。その望みは生きがいでもあり生きるちからともなるでしょう。ある人はそのような望みがなく途方に暮れています。置かれた状況に行き詰まり、先のことに不安を覚え、生きていくことに対して否定的になります。またある人はそのような望みがない中で惰性的に生きています。「とにかく目の前のことを処理しなければいけない」と。仮にこの世の中で望みを見つけられるとしても、それは部分的・限定的なものです。そうであるならば、それは正しい望みであるとは言えないのです。

II. 私の現在の望み →イエス様と出会い、聖書の真実と出会うと、過去の望みは崩れ去ります。パウロも死からよみがえられたイエス様と出会い、それまで望みとしていたものが望みではなくなりました。彼はイエス様をよみがえらせてくださった神様に望みを置くようになったのです。神様が与えてくださる希望は、偽ることのない神様の約束に基づくものであり、永遠に確かなものです。

III. 私の現在の望みによる変化 →まことの神様に望みを置き始めた人の生活には様々な変化が起こります。世界観が変わり、神様のご存在を視野に入れた生き方を始めます。それ故、自身の罪深さに苦しむこともあります。また神様が喜んでくださることは何かを考えて選択・決断をします。また自分を救ってくださった神様(イエス様)にお仕えしたいという思いが与えられます。生活における価値観にも変化が生じます。この望み(信仰)故に困難や周囲の人からの反対も受けることもありますが、一方で平安と喜び、そして勇敢さが与えられます。

まとめ:まことの神様に望みを置くことは、唯一の正しい選択である →パリサイ人であったパウロは、キリスト者として生きる人と変えられました。人間的な、そして独りよがりな望みではなく、神様からの望みに自身を据えたのです。あなたが、まだこの世的なものに望みを置いているのであれば、それをやめて確かなものに望みを置きましょう。あなたのために死に、復活されたイエス様を信じて永遠の希望をいただきましょう。あなたが救われたクリスチャンであるならば、まことの神様に望みを置くという軸をもっているのです。どんな時も神様に望みを置き続けましょう。確かな希望をもっていない人々が、あなたの持っているものについて説明を求めてくるような(そして弁明することができるような)神様にある希望に満ち溢れた歩みへと導いていただきましょう。

 

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