4月8日 自由を手放すな

かつて多くの人々がアフリカの奥地から海岸にまで連れてこられ、船に乗せられアメリカ大陸に連れてこられました。奴隷としてです。彼らには人権や自由というものはありませんでした。現在、私たちの身近でこのような類の奴隷は存在していないかもしれませんが、多くの人々は何かに「縛られている」と言えると思います。自分の意志とは関係なく、誰かに、何かに支配されるということが起こるのです。そして、支配されているという感覚さえない場合が多いのです。その地域や家庭の、伝統や習慣、或いは世の中の流れがそうであるかもしれません。「よくわからないけれども、良いことだと思うから、やるべきことだから」という理由でよく考えずにしていることもあるでしょう。クリスチャンになった私たちでもそのような傾向があるのは否定できません。罪の性質は、神様のお考え(みことばの教え)ではなく、自身や周囲の人々の考えに依存する方向に働くからです。パウロは今回の箇所で、私たち救われたクリスチャンがどのような立場にあるのかを再認識させ、「奴隷状態」へ逆戻りすることへの警告を与えています。

I. わたしたちは約束の子(28節)→前回の箇所でアブラハムの息子イサクは神様の約束によって生まれたことを学びました。イサクは、父親が神様から与えられた約束を受け継いだのです。(創世記26:1-3)イエス様を信じたクリスチャンも同じように、神様のあがないによる約束の受取人です。アブラハムの霊的跡継ぎであるからです。クリスチャンは(儀式等の)行いによってではなく、イエス様に対する信仰によって神様の子、約束の子とされており、祝福を受け継いでいるのです。(ガラテヤ3:29; Iコリント3:21-23; エペソ1:3)

II. わたしたちは御霊によって生まれた者(29節)→クリスチャンは聖霊なる神様の超自然のお働きによって、新生を体験しています。(IIコリント5:17; ヨハネ1:13; 3:3; テトス3:5; Iペテロ1:23; Iヨハネ5:1)そのクリスチャンは、そうではない人々から「迫害」を受けることがあります。かつてイサクが14~5歳年上の異母兄弟イシマエルに‘からかわれた’ように(創世記21:9)、真のクリスチャンが責められることがあるのです。それは、まことの神様をまったく知らない人からとは限りません。パウロがそうであったように、みことばを信じない「宗教的な人々」からの攻撃もあるのです。

III. わたしたちは自由の子(30-31節)→イサクを‘からかった’イシマエルとその母親は追い出されました。それは約束(自由)の子と奴隷の子の違いが明確であり、両者が相続を共有することはないことをあらわしています。神の宗教と人(人工)の宗教は相容れないものであることを認識し、律法的・肉的な人々、またそれらを教える人々とは距離を置かなければなりません。神様は聖霊によって生まれた者だけが、真のアブラハムの子であると宣言されます。一方、律法を行うことによって神様からの義認を求めようとする者は、永遠に神様の前から追放されるのです。(IIテサロニケ1:8-9)

5:1はこの書の区切りとなる節ですが、これまでのパウロ自身の使徒職についての弁明(1-2章)、福音の弁明(3-4章)を踏まえて、(残りの2章で)クリスチャンが召された自由とはどのようなものであるかを語っていきます。クリスチャンに与えられている自由は、内に住んでおられる聖霊の働きにより、成熟と聖さへと導くものであるのです。(そしてそうあるべきです) この節では、クリスチャンの救いに関するイエス様の目的が宣言され、同時にその目的を土台として奨励・訴えがされています。神様のみわざを覚え、今ある場所にとどまれと。

まとめ:キリスト様にあって与えられた自由の立場を決して手放してはならない →神様は私たちのためにイエス・キリスト様によって救いの道を用意してくださいました。私たちはその神様の誠実な約束に基づいて救われたのです。聖霊なる神様の超自然のお働きにより新しく生まれたのです。私たちは自由を得たのです。それは神様のお考えを行う自由であり、神様からの祝福を受け取り楽しむ自由です。私たちが何かを行うのは、強いられてするのではなく、(また救いのためでも、神様のご機嫌取りのためでもなく)神様に喜んでいただくため、神様の栄光のためにするのです。改めてキリスト様にある立場を認識しましょう。そして再び世的・肉的・律法的な考えと行動によって自身を縛ることのないようにしましょう。

 

 

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