5月6日 クリスチャンは自由人

“自由人”とはどのような人をイメージするでしょうか。ある人は、自由人とは、“自分の判断に従って生きて行く人、つまり自立している人”と説明しています。自由人の特性とは、“自分の心に正直に生きている人”とも説明しています。
パウロは、クリスチャンは、奴隷の状態から自由になった者であると言っています。自身の行ないによって救われようとする人、そしていくら努力しても自分を救うことができない人、そうでありながらなお同じことを繰り返して解決が得られない人、それはまさに奴隷状態にある人の姿です。イエス様の正しい行ない=十字架の死、を信じた者はその奴隷状態から解放され自由とされました。今回はクリスチャンが手にしている自由の意味について以下の三つのポイントで考えたいと思います。
パウロがこの先の手紙を記していく目的は、「愛によって働く信仰」(6節)とはどのようなものであるかを示すことであり、内部で争いが起こっていると思われるガラテヤの諸教会に対してメッセージを送ることです。しかし、一番の目的はキリスト教の真の姿を示すことにあります。聖さへと召されたクリスチャンの姿を示すことにあるのです。

I. クリスチャンの自由は 救いの結果であり目的である

II. クリスチャンの自由は 罪を犯すためのものではない

III. クリスチャンの自由は 愛し合い仕え合うためである

→私たちは神様の救いの招集の特権に与った者たちです。これにより自由が与えられました。ただ、その自由を濫用することがあってはいけないのです。“自由だから、罪を犯したって大丈夫”だと考えては決していけないのです。この自由は“したいことができる”という権利でも資格でもないのです。私たちクリスチャンに与えられた自由は、神様が望まれることを行なう自由です。それは権利ではなく、神様にそして人に奉仕するためのものです。自身の罪深い欲望を満たすためのものではなく、他者に仕えるためのものです。この務めを果たすようにとパウロは命令しているのです。
この章の1節では、再び奴隷に戻っていくことへの警告として、自由について語られていますが、この箇所では、自由を、自分を甘やかす言い訳にしてはならないことが語られています。前には“律法の奴隷になってはいけない”と語られ、今回は“他者に仕える奴隷になりなさい”と言われているのです。これがクリスチャンの自由である、とパウロは一見矛盾するようなことを言っているのです。
パウロは今回の箇所では、律法について“好意的”に述べています。“自分を愛するように、他者を愛しなさい”とは、自己を惜しみなく提供するという、時を超えた原則です。この命令によって、律法全体は要約され、また成就されるのです。律法自体が私たちを救ったわけではありませんが、クリスチャンはなお律法が要求することがらに気を留めて歩むのです。これは、後にパウロが述べる御霊の実を結ぶことにおいて律法の目的が果たされるという意味でもあります。これがクリスチャンの自由の原則です。
私たち召された者の歩みは、他者の信仰の歩みを励まし、他者の徳を建てあげることに携わるものであるべきです。互いに愛と奉仕に満たされた者となるべきなのです。野生の動物が互いに噛みつきあい殺し合うようなことが、教会内で、クリスチャンの交わりにおいて起こってはならないのです。

まとめ:私たちは主にあって主のために奉仕をする自由人である →自由人とは、“何物にも強制されず自らの運命を自分で決めることができ思いのままに生きる人”と説明する人もいます。しかし、クリスチャンは神様を抜きにして人生を考えることはできません。自らの存在でさえ、神様に完全に依存していることを信じているからです。クリスチャンは真実を知り、まことの神を知ることができました。このお方によって罪の問題が解決され、神様が喜ばれることを行なうことができる自由な者とされました。強制ではなく、神様の愛に動かされて、神様がお決めになり、神様がお喜びになる物事を行う、そしてそのことを喜びとする自由人となったのです。そのような人々が集う教会は何と素晴らしいでしょう。あなたはそのような自由人でしょうか。

 

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