9月29日 知っている人 VS. 知らない人

クリスチャン家庭で育った私は、他の宗教のことがよくわかりません。ですからそれらについて知ることはある意味において興味深いことです。そしてそうすることは聖書の教えるところを伝えていこうとする者として「敵陣」を知ることにもなり、同時に自分が信じていることの確認にもなります。

聖書は、私たちがどうしても知る必要のあることを教えてくれます。愛の神様はそれを教えてくださいます。私たちに求める心があるならば、神様はそれを知らせてくださいます。このようにして、知らなかった者が知る者へと変えられるのです。

今回はイエス様についての人々の認識・応答とイエス様ご自身の主張とを対比させ、知らない者と知らせてくださるお方について考えたいと思います。

I. 人のイエス様についての認識
①この人は殺されようとしている存在である(25節):あるユダヤ人たち、特に宗教指導者たちは、イエス様が「安息日を破っている」だけでなく、ご自分を神と同等としているために、捕まえて殺そうとしていました。やがてそれは実行に移されるわけですが、現代において多くの人々は、イエス様について(理由はともかく)「十字架で殺されてしまった人」という認識なのではないでしょうか。
②この人はメシヤとは認められない存在である(26節):宗教指導者たちは、イエス様を捕まえたいとは思いながらも、そうすることで人々がどう反応するか、また収拾がつかない事態になってローマ(当局)が動くことになっても困る等の思惑があったようです。彼らがイエス様を一時的に「野放し」にしたのは、イエス様を救い主として認めたのではなく、自分達にとって何が得策かを考えていたのでしょう。
③この人は出所を知られている存在である(27節):またある人々はイエス様が(人として)どこの出の者であるかを知っていました。生い立ちを知っている彼らにとって、イエス様がメシヤであることを受け入れることは簡単ではありません。彼らには彼ら自身の“メシヤイメージ”があるからです。今も、多くの人がイエス様を歴史上の人物としては認めても、超自然の存在であることを信じることは難しいのです。

II. 人のイエス様に対する応答
①拒絶する(30節):イエス様について正しく理解していない人々にとってイエス様を拒絶し、捕まえ、殺そうとすることは必然的な応答となります。今も、多くの人々は神の御子であられるイエス様を自分の人生から(無意識の中においても)締め出しています。
②信ずる(31節):ある人々はイエス様の中に一定の「違い」を見出し、イエス様を信じました。

III. イエス様のご自分についての主張
①私は「眞の者」に遣わされた存在である(28節):父なる神様は、イエス様にとって正にご自分をこの世界にお遣わしになったお方です。エルサレムの人々がどのように考えようが、神様はそのような現実のお方なのです。このお方の目的と権威に基づいてイエス様は来られたのです。
②私は「眞の者」から出てきた存在である(29節):イエス様は父なる神様と個人的で密接な関係にあられます。イエス様は神であられ、神としてのご性質を保たれたまま人となられたのです。

イエス様の主権: ある人々はイエス様を捕まえようとしましたが、誰もイエス様に触れることはできませんでした。イエス様の「時」が来ていなかったからです。人がイエス様についてどのように考え応答しようとも、イエス様の(全知全能の)神としての主権は邪魔されることがありません。

まとめ:聖書のことばにより、イエス様を正しく知ることができ、信ずることができる
人には様々なかたちで聖書のことばが届けられますが、最後にはその人が、個人的に学び、知り、信じなければなりません。それは神様から一人一人に突き付けられた決断の責任でもあります。神を知り救われる人がいます。また神を知らず(知ろうとせず)救われない人がいます。聖書のことばのある部分は人の理解を越えています。ですから人はそれを信仰によって受け入れるのです。それは人が、がんばって信じようとするのではなく、信じることができるように導かれるのです。そのようにして知ることができ、信仰を持つことができた人は幸いです。

 

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