覚えておくべきこと(II ペテロ 1:12~15)

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新しい年を新たな聖書通読で始めた方もいるでしょう。同じ箇所を再び読むことにより、新たに学ぶこと、そして繰り返し学ぶことによって思い出させられることがあります。信仰者として聖書を繰り返し読むのは、覚える必要を抱えているからです。今回の箇所からこの章の終りまでで、ペテロは霊的成長と成熟への招きを、みことば(の性質と権威)に基づかせています。福音を受け取った者の務めを念頭に、先ず12~15節において読み手への個人的配慮をペテロは表現しています。ペテロが繰り返している、“思い起こさせる”という表現に着目し、クリスチャンが覚えておくべきことを確認しましょう。

I. すでに知り実践しているかもしれないが:油断大敵(12節)
ペテロがこの箇所で念頭においているのは、個人的な聖さに、読み手をしっかり立たせることです。私たちは忘れやすいため、真実を繰り返し聞かされる必要があります。単に“知っている”ことと、体験的に知っていることとには違いあります。後者の、“知る”ことによって危機的な状況でも対応できる必要があります。真理に堅く立つとは、確かめられた知識と経験により強められている、内面が安定していることを意味します。かつて信仰面で粗削りであったペテロの歩みは確かなものとされ現在は他者を励ます存在となっています。安心/確信は、与えられた(福音の)真理における立場を保つことによって経験できます。ペテロは、“あなたがたに(繰り返し)思い出させるお手伝いをします”と言っています。(手紙の受取人である)彼らは(特質の追求や霊的成長については)すでに知っている事柄ではあるのですが、彼らの思いの中心に据え続けられるために思い出させる必要があったのです。真理は絶えず繰り返し告げられなければならないのです。

II. 霊的リフレッシュのために:継続奮起(13~14節)
信仰者は霊的眠気から守られる必要があります。ペテロは、命ある限り、他のクリスチャンの霊的健康に気を配ることを決意しています。彼は、彼らの目を完全に覚まさせ、刺激しようとしているのです。霊的眠気を持つところから揺り起こし、迫りくる危険に対して警戒態勢を取らせようとしているのです。彼は、心に真実を確かなものとする上で繰り返しを重要視しています。ペテロは自身の死について言及していますが、死とは、自身の「幕屋」を脇におくことです。(IIコリント5:1)ペテロはおそらく70代で(ローマの牢獄から)この手紙を書いており、死期が近づいているのを認識していたであろうと想像できます。しかしペテロは使徒としての役割から退く意図はないのです。
彼は約40年前にイエス様から自身の死について予告されています。(ヨハネ21:18-19)これはイエス様からのメッセージであって、彼の主観的な想定ではありません。その事実を知っているからこその責任感です。(テントがそうであるように)からだは地上での一時的建物です。死においてこの建物は取り壊され、空中携挙において新しく変えられます。ペテロの表現には死の恐れが存在しません。死は終わりではありません。ペテロは“幕屋を出る”のですが、生き続けるのですから。ペテロが空中携挙の際には自分が生きていないことの啓示が含まれていると思われます。

III. 残るのはみことばとみことばに基づく原則:真実堅持(15節)
ペテロは「これらのこと」を“思い起こさせる努力をする”と宣言しています。彼はこの節で再び死について違う表現を用いて触れています。死は存在が停止することではなく、一つの場所から別の場所へ出発することを意味します。ペテロは、自分の死後、彼らにとって真実が永続的記憶となるようにとの願いをもってこの霊感されることになる手紙を書いているのです。ペテロのような人は、亡くなった後も書き記されたものを通してその働きを継続していくことができます。

まとめ:霊的成長への意識は信仰者を確実に前進させる
クリスチャンは、みことばを繰り返し聞き、思い出させられ、自身の生活と奉仕への適用の励ましを受ける必要があります。みことばを学ぶときに霊的に強められ、教えを受けるときに信仰の歩みが確立されていきます。それでもなお霊的落とし穴があることへの警告や、真実を追求すること、神様からのちからを祈り求めていくことを必要としています。みことばを繰り返し読み学ぶことで、みことばが歩みに定着し、生活する上での血となり肉となりエネルギーとなっていきます。信仰者であっても、思い・考え方・価値観・優先順位が信仰者ではない人のようになっていきやすいものです。世の中は“これがあなたの採用すべき基準だ”と常に迫って来るからです。世に翻弄される可能性が常にある中で、常に原点に戻り、一番にすべきことを一番にし、神様の前に正しいことを選び、霊的な事柄を重要視するためには常に思い出させていただく必要があるのです。真理に堅く立ち、霊的に目を覚まし、みことばに信頼し実践することを覚えましょう。そのために繰り返しは必要であることも。

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