3月15日 御心がなされる時

新型コロナウイルスは収束する気配のないまま世界中に広がっています。人々が感染を恐れるのは、この目に見えないウイルスが死の可能性とつながっているためです。ウイルスは自分のところには来ないかもしれません。しかし同様にそれ自体見ることができない死は、容赦なく一人一人にやってくるのが現実です。イエス様は死をも支配される神の御子であられます。今回の箇所で、一人の人の死という場面において、イエス様は死をも超越する神の御心についての真実を明らかにしてくださいます。(ヨハネの福音書11章1~16節)神様の御心が行われる時に生じる以下の四つのことに着目したいと思います。

ヨハネの福音書の11~12章は、福音書の後半部分への橋渡し的な役割を果たしています。13章以降はイエス様の受難の記録が焦点となります。そして死を目前にされているイエス様はご自身の弟子たちや愛する者たちへのお働きに集中していかれます。11章のイエス様の奇蹟はこの福音書における7番目のものですが、一番際立つ奇蹟と言ってもいいでしょう。

I. 神が栄光をお受けになる (4節)  

瀕死の状態にあるラザロの病がどのようなものであったのかは不明ですが、イエス様はその知らせを受け、この病が死で終わってしまうものではないことを宣言されました。むしろラザロの死、そしてその後に起こることと神の栄光との関連性を語られました。ラザロが病であることはイエス様にとって重要な部分であったのです。その死が復活で終わり神の栄光があらわされるからです。

II. 神の愛が示される (3、5節) 

イエス様の宣言が、病を抱えた者、そしてその家族に対して決して冷酷なものではないことを5節は説明しています。イエス様はラザロを、そして彼の姉妹を愛しておられました。イエス様の一連のふるまいは彼らに対する愛ゆえのものだったのです。

III. 神の最善があらわされる (6節)  

イエス様は、なお二日同じ場所に滞在されました。その後再び、イエス様に反対する者たちが待ち構えているであろうエルサレムのほうへと向かって行かれる決心をされました。

弟子たちはイエス様の意向に快く同意はしなかったようです。しかしイエス様は、父なる神様から託されたお働きを成し遂げるご自分の責任について考えておられたのです。“その時”までの時間が短いことを認識されていたのです。御子イエス様が父なる神様の御心を地上で行われる限りにおいてイエス様は“安全”であるが、時が来てイエス様のお働きが終了する時、イエス様は死によって“躓く”のです。そして主が取り去られる時 ある者たちは霊的方向性の感覚を失うのです。

IV. 神の信仰者が強められる (15節)  

イエス様は、確かに死んだラザロのもとへと向かわれました。イエス様は彼の臨終の場にいなかったことをお喜びになりました。父なる神様の、御子イエス様に対する“認証”を確かなものとして示す機会としてお考えになったからです。また同時に弟子たちの信仰を確認する機会としてもお考えになったからです。ラザロがよみがえらせられることは、弟子たちのイエス様に対する信仰が強められるために設定されたことなのです。

16節のトマスの言葉は、この後イエス様が捕らえられ処刑され、そして自分たちも苦しむことを予期したものであり、同時に自らの行く末についての悲観的な表現です。

まとめ:御心を行われる神様が求めておられるのは信仰である

イエス様は死に勝利されたお方です。そのお方を救い主と信じる私たちは勝利者の側にすでにあるのです。この事実は今を生きるクリスチャンをどれほど勇気づけることでしょうか。

どのような場面においても神様にはお考えがあり、ご計画があり、目的があります。それらすべてを私たちが理解することは到底不可能です。神様の知恵は私たちの想像をはるかに超えるものだからです。究極的に、私たちにできることは、神様を信じることです。死をも支配されるお方にゆだねることです。そして自分のなすべきことを忠実に果たすことです。

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