5月10日 神のことばは万民へ

ヨッパにいたペテロはカイザリヤに招かれ、ローマの百人隊長コルネリオと彼の親族・友人達の出迎えを受けます。ここでペテロは神様からのメッセージを聞きたいと切に願う異邦人の集団を前にしてみことばを語ったのです。これは教会の歴史において意義深い瞬間であり、私たちを含む異邦人世界への福音宣教拡大の大きな節目であったと言えます。今回は人類に対する神様のみことばを二つのポイントで考えます。(使徒の働き10:34~48)

I. みことばは罪のある人間に真実を指し示すメッセージ (34~43節) →ペテロの説教は使徒の働きの2章、3章にも記録されていますが、今回の説教にはイエス様の十字架前の事柄がより多く含まれています。ペテロは最近の“新しい経験”を一つ一つ重ねていく中で神様についての真実を深く心に刻んでいったことでしょう。

ペテロは先ず、 神様はどのようなお方か(神様のご性質)について語り (34~35節)、その中で、神様は偏見のないお方であること(申命記10:17; II歴代19:7; ヨブ34:19; ローマ2:11; 3:29~30; エペソ6:9; ヤコブ2:1参照)、そして罪人を受け入れてくださるお方であることを述べました。神様が偏見のない公平なお方であることの真実を受け入れることは、ユダヤ人以外(異邦人)への伝道の動きを加速させる上で重要なポイントであったのです。また敬虔で良い行いをしていながら、なお罪人であったコルネリオにとって、神様の受容の対象であることの真実はどんなに慰めとなったことでしょう。

次にペテロは、神様は何をされたか(神様のみわざ)について語り(36~43節)、その中で、神様は御子イエス様によって(イスラエルに)メッセージを与えられたことと、御子によって救いの道が備えられたことを述べました。すべての人の主であられる御子が平和の良い知らせをもたらし、そのメッセージが拡大してきたこと、そしてそこには父なる神様のちからが注がれていたことがわかります。また御子の十字架の死と復活を通して救いの道が開かれ、復活の御子に出会った弟子たち(証人)を中心に“伝える”使命が与えられたのです。それはイエス様が究極の審判者として定められていること、そして過去の預言者が語ったように(イザヤ53:5,12; 詩篇32:1)、このお方を信ずるすべての人に罪のゆるしが与えられることを伝えていく使命です。

II. みことばは罪のある人間に救いを提示するメッセージ (44~48節) →ペテロがまだメッセージを語り続けている間に、そこに集まった異邦人の集団には信仰が与えられました。聖霊なる神様が彼らにお下りになったことは、彼らがみことばを聞き、イエス様を信じ受け入れた証拠です。信ずる者は救われるのです。そして彼らが異言を語ったり、神様を賛美したりしている変化をペテロ達は確認しました。異邦人もユダヤ人と同様に救われることを明らかに見たのです。そしてバプテスマを受けることは自然な流れとなりました。信ずる者は変えられるのです。コルネリオたちは、ペテロにしばらく滞在してくれるように願いました。救われた彼らはさらにみことばを求め、主にある交わりを求めたのです。信ずる者は成長(前進)するのです。

まとめ:与えられたみことばに生き、与えられたみことばを分かち合いましょう →ペンテコステ(聖霊降臨―2章)において神様に用いられ説教したペテロが、今回異邦人への本格的な信仰の道を開く役割を神様から授かりました。このことにより、時を越えて現代を生きる私たちにも神様からのみことばが届けられ、祝福が及びました。みことばが与えられたことにより、神様についての真実、自分についての真実、イエス様にある救いの真実等が知らされ、神様の救いの恵みに与る者としていただきました。このことの重みを深く胸に刻み、みことばを基準とし、みことばに従う歩み-神様に喜んでいただける歩み-を進めていきましょう。そして今なお真実を知らない周囲の人々に、神様のみことばを伝えさせていただきましょう。

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