8月21日 「この道」への反対

今回から使徒の働きの最後(第六)の区分に入ります。この区分(19:21-28:31)では、パウロがエルサレムへ行き、そしてローマに行くところまでを扱います。今回はエペソにいるパウロがマケドニヤとアカヤを訪問した後にエルサレムを行く計画をしている中で起こった「この道」に対する反対を取り上げたいと思います。(使徒の働き19:21~41)

I. 「この道」への反対は、利益と価値観が脅かされる時に発生する可能性(23~27節)→エペソには、世界の七不思議の一つと言われるアルテミス神殿がありました。これに関連する職業や商売が存在し、デメテリオという銀細工人をはじめとして数多くの人々が収入を得ていたようです。パウロの伝道は、彼らの“偶像ビジネス”を直撃しました。デメテリオは、パウロが“人の手で造った物は神ではない”と言って人々を惑わしている、自分たちの職業が軽んじられ信用を失う、大女神アルテミスの名誉が傷つき、その威光が地に落ちると懸念を表明し、同業者たちの不安をあおりました。
多くの日本人は宗教に寛容です。しかし、クリスチャンであるあなたの存在によって、誰かの収入が減ることになるとしたらどうでしょう。誰かの大切にしている事柄が結果的に軽んじられるとしたらどうでしょう。誰かに不都合が生じるとしたらどうでしょう。

II. 「この道」への反対は、理解の欠如によって感情的になる可能性(28~31節)→デメテリオの同業者たちは、彼の言葉を、怒りをもって受け止めました。そして町中が大騒ぎとなったのです。大勢の人々が集まり、混乱が起きましたが、集まった多くの人々は何のために集まっているのかを知らない状態でした。
クリスチャンであるあなたに対して直接、“あなたの信じていることは間違っている”と言う人は少ないかもしれません。しかしあなたについての事実確認の不足等によって誤解が生まれ、間違った認識をもたれてしまうことがあるかもしれません。結果的にあなたに対して距離を置いたり、心を閉ざしたりすることがあるかもしれません。時には、あなたにつらくあたったり、厳しい言葉を浴びせることもあるかもしれません。或いはあなたに対していやがらせ等の迷惑行為に発展する場合もあるかもしれません。

III. 「この道」への反対の動きに、冷静に対応する人が存在する可能性(35~41節)→エペソの町の書記役は混乱状態にある人々を静め、語りました。事実を受け止め、軽はずみな行動は慎むようにと。そしてもしパウロたちの活動に文句や要求があるのであれば、行政の正当な手続きを取るべきであると。今回の騒ぎは正当な理由がないため罪に問われる可能性があると。書記役はこれらの事を述べ、集会を解散させました。
あなたのクリスチャン信仰に対して反対が発生することもありますが、一方であなたに好意的/良心的に、或いは少なくとも中立的に対応してくれる存在を神様はしばしば備えてくださることも事実です。そのような中で、感情に対して感情で対応するといった人間的(肉的)対応の誘惑に負けることなく正しい態度で臨むことが大切です。

まとめ:偶像礼拝の国で「この道」を進むあなたを神様は最後まで導かれる →イエス・キリスト様に対する信仰ゆえに、世の中の人々から反対を受けることはうれしいことではありません。しかし、神様に従おうとするのであれば、これは避けられるものではありません。反対があることにより、自分自身の信仰を省みることができます。信仰の表明をする機会ともなります。また神様のお働きを経験することもできます。“反対の火種”をわざわざ作る必要はありませんが、反対が起きた時には、神様の恵みによりすがり「この道」にとどまらせていただきましょう。そして一つ一つの信仰の決断/行動が、あなたのためにいのちを投げ出してくださったイエス様に対する愛にあること(愛になければならないこと)を確認しましょう。

 

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