1月27日 不敬の罪深さ

現代は権威を認めてへりくだること、尊敬することが乏しくなっているように思われます。人となってこの世界に来られた神の御子イエス様に対してでさえ多くの人々は敬うことをしなかったわけですから、不完全な人間の権威に対してそれができないのは当然のことかもしれません。今日はマルコ15:16-32から、十字架に架けられるイエス様に対する侮辱について、いくつかの行為、使われた物等に着目しながら考えてみます。

 ①十字架前に侮辱されるイエス様→この段階においては、ローマ帝国の兵士達だけのイエス様に対する侮辱行為が記されています。イエス様は「総督官邸」に連れて行かれ、多くの兵士達に取り囲まれます。そこで彼らがイエス様に行ったことは“王様ごっこ”でした。王族を象徴する「紫の衣」を着させ、王の位を象徴する「いばらの冠」をかぶらせ、ローマ皇帝への挨拶を茶化すかたちでイエス様に「ユダヤ人の王さま。ばんざい。」と言い始めました。さらに王の権威を象徴する「葦」でイエス様の頭を叩き、唾を吐きかけ、“あざけりの礼拝”をしました。一連の侮辱行為の後、もとの着物に着せ替え、十字架につけるために連れ出しました。イエス様はクレネ人シモンによって運ばれた十字架にかかられる前に、痛みの感覚を麻痺させるためと思われる「没薬を混ぜたぶどう酒」を提供されますが、それをお飲みにはなりませんでした。

 ②十字架上で侮辱されるイエス様→兵士達はイエス様を十字架につけましたが、その“時”のイエス様の苦しみについては詳しい説明がなされていません。ただ周りを取り囲んだ人々の(十字架刑の前半の約3時間の)行為だけが記されています。兵士達は十字架に架けられたイエス様を横目にイエス様の着物をくじで分けました。「ユダヤ人の王」の罪状書がつけられたイエス様の十字架の両側には「強盗」が同じく十字架に架けられていました。“イエス様の着物のくじ引き”や真の罪人と共に十字架に架けられることは旧約聖書の預言の成就でもありました。イエス様は苦しみの中で通行人、祭司長、学者達からよってたかって嘲られ、両側で十字架に架けられたの犯罪人からさえ罵られました。

 最後にいくつかのことを考えて見ましょう。イエス様の十字架の侮辱はあなたの罪ゆえであり、あなたの救いはイエス様の十字架の侮辱ゆえであるということを。本当のことを知らないこと、また知らされても信じないことは、人を恐ろしい罪へと導いていくことを。あなたがイエス様の十字架の現場にいたならば、神様であられるイエス様を敬わない側、侮辱する側に立っていたであろうことを。イエス様の十字架の苦しみはすべての人のためであるとともに、あなたのためであったことを。そして死に、復活されたイエス様を自分の救い主、自分の神様と告白できる祝福が与えられていることを。

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