信仰者は知れ(II ペテロ 1:1~2)

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ペテロの手紙第二は、第一と同様、イエス様の弟子であった使徒ペテロが(皇帝ネロの迫害によって殉教する直前に)書いたものと思われます。第一の手紙との書き方の相違は、書記役の違いが影響しているかもしれません。また使用されていることば(単語)の違いは、扱うテーマの違いによるものでしょう。一方で第一の手紙とのことばの類似点もあり、また稀なことばが使徒の働きのペテロの発言に登場するものもあります。
ペテロがこの手紙を書く背景には、教会にダメージを与える偽教師の存在があります。異端的教えと不道徳な生活スタイルに危機感を覚えたペテロが「最期のことば」を(おそらくローマの牢獄から)伝えているのです。ペテロは、教会に入り込む(イエス様を否定しみことばを曲げ、再臨を嘲り、不道徳な振る舞いをする)偽教師の存在を暴露し、これに反対し、勝利することを説いています。さらにクリスチャンとしての人格形成の必要を説き、それには真の教理の知識が必要であることを強調しています。

I. ペテロの手紙(1節)
差出人はペテロです。「シモン」は古い名で漁師時代を思い出させ、「ペテロ」は、イエス様が初対面において与えた名です。彼は謙遜と尊厳のバランスの取れた自己紹介をしています。

*主のしもべとして:他のクリスチャンと同じ立ち位置にあり、従順なしもべであることを説明しています。「しもべ」は、ギリシャ文化ではしばしば使役される奴隷を指しますが、パウロはこのことばをヘブル的に(肯定的な意味に引きあげ)、愛し尊敬する主人に快く仕える存在として説明しています。イエス様の尊い血によって贖われた者として、従い、御心を行う者として自身を紹介しています。
*主の使徒として:イエス様の復活の目撃者として、類まれであり、神様に召され、(委ねる者の権威によって)働きを委ねられた者です。彼はイエス様の代表(代理)として遣わされみことばを語る者となりました。

受取人は(第一の手紙と同じ)クリスチャンたちです。人はみことばを聞き 応答する時、聖霊なる神様は人の死んだ魂を呼び覚ましてくださいます。この時に神様は人の信仰を始められるのです。人がイエス様を信じる時には、“神様の御心により信仰を獲得する”ということが起こっているのです。ペテロは、救いは個人的な努力や能力や価値にではなく、純粋に神様の恵みによることを強調しています。

*同じ尊い信仰を受けた:これは信じることにおいて同じ特権を与えられたことを意味します。クリスチャンは皆、値踏みのできない、同じ特別な救いに至る信仰を得たこと、霊的に、人種的に、性別的に、第一/第二階級といったクリスチャンは存在しないことをペテロは強調しています。読み手の殆どが異邦人であるため、ペテロは彼らがユダヤ人と同じ信仰を受けたことを明確にしています。

*主の義によって信仰を受けた:クリスチャンは同等の救いの贈り物を共有しています。それは神様の義が彼らに負わせられたからです。このことにおいて差別はありません。神様が与えるゆえに、信仰を持つのみでなく、神様が義を負わせてくださるので、そのことによって(のみ)人は救われるのです。この義は神であられ救い主であられるお方の義です。

II. ペテロの祈り(2節)
*恵みと平安が与えられるように:それは、神様と主イエス様を知ることによって可能です。聖書の中心テーマの一つである「知識」に関連する言葉をペテロはこの手紙で繰り返し使っています。2節の「知ること」は、より広く、徹底的に、親しく知ることを意味します。クリスチャンの尊い信仰は、神様についての真実を知ることの上に成り立っているのです。キリスト教は、神秘的な宗教ではなく、客観的、歴史的なものであり、啓示された、道理のある神様からの真実であり、理解され信じられることが意図されているものです。

*豊かに与えられるように:イエス様の知識の広さ深さにともなって、恵みと平安がより増殖されるのです。恵みと平安を求めるならば、みことばと祈りによって神様を知ることに勤勉でなければなりません。信仰者はイエス様を知ることにおいて成長が必要なのです。

まとめ:尊い信仰を受けたクリスチャンは尊い主を豊かに知れ
神様から真実のみことばを与えられている私たちは、健全な信仰生活のために、着実な信仰成長のために、神様の恵みと平安を豊かに経験するために、誤った教えに対抗し勝利し、イエス様に対する信仰を堅く保つために、尊い救い主であられるイエス様をより深いかたちで知る者となろうではありませんか。そうすることによって尊い信仰を磨き整えていただきましょう。

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