人の罪と神の忠実さ(ローマ3:1~8)

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イエス様を信じたクリスチャンはあらためて覚えたいと思います。私たちの救いの現実は、私たちの持っている何かをまったくよりどころとしていないということです。すべては神様の愛による超自然のみわざです。今回はこの神様の、ユダヤ人との関係について学んでいきます。今回の箇所の、質問を含むやり取りは、“ユダヤ人のパウロ”と“クリスチャンのパウロ”の間で展開していくイメージで理解することができると思います。

I. ユダヤ人の優位性(1~2節)
すでに、ユダヤ人の持っている律法や儀式は、(それ自体は)神様との関係において意味を持たないことを確認しましたが、それを踏まえ、さばきの日を前にしてユダヤ人であることの利点は何かが問いかけられています。アブラハム契約の約束を、イスラエルが持つ優位性として考えているパウロは、ユダヤ人たちが神様のことばを委ねられていることを、強み(利点)として挙げています。旧約聖書を与えられた彼らは、救い(福音)についての真実を持っているからです。

II. 神の真実はユダヤ人の不真実に影響されない(3~4節)
ユダヤ人が不真実であっても(不信仰であっても)神様のご計画には影響を与えません。ユダヤ人が異邦人のようであっても、神様は(国/民族としての)イスラエルに対してされた約束をすべて成就されます。(個人的には不信のゆえに約束の成就を手にすることができないということは生じますが)パウロは読み手の反論を予想しました。パウロが、“神はアブラハムのすべての肉体的子孫への約束の成就を保証しない”と主張するなら、“そのような教えは、旧約のユダヤ人に神がされた約束すべてを無効にすることになる”と反論するであろうと。しかしパウロは、旧約の示していることから、“血筋の純粋さに関係なく、神様の約束を受け継ぐには悔い改めと信仰が必要である”と述べるのです。すべての人が同意して、神様は約束に対して不真実であるとしても、すべての人間は嘘つきで、神様は真実であることが証明されるのみです。引用された詩篇51:4は、神様の語ることは常に真実であると主張されるべきものであり、人が異議を唱える時、神様の正しさは立証されるべきものであることを述べています。

III. 神の義はユダヤ人の不義に影響されない(5~6節)
パウロは5節以降で、自身の教えは、“神様の御性質である聖さを疑うものである”とする非難を受けることを予想しています。人が不義であれば、神の義が際立つことは事実です。そして神様は不義に罰をお与えになります。もし罰を与えることが、必然的に不義を示すことであるなら…との疑問が生じます。パウロは、“もし神が不義である可能性があるなら、神がどのように世をさばくことがおできになると言うのだろう”と反論します。パウロはここで、神様が罪を大目に見るのであれば、さばきのための公正で正しい基準をお持ちになる理由はなくなってしまうことを指摘しています。

IV. 神の真理はユダヤ人の偽りに影響されない(7~8節)
ある人は、“自分の悪が神の栄光につながるなら、なぜ私はさばかれるのか”と言うかもしれません。“良いことがもたらされるなら、悪を行ってもいいじゃないか”と言うかもしれません。実際ある人たちは、パウロたちがそのように主張していると中傷しました。悲劇的にも使徒パウロの語る福音のメッセージが歪められたのです。“神様からの恵みによる、そして信仰による救いは、罪を犯す許可を与えるのみならず、そうすることのあからさまな励ましを与えている”と。パウロは後に(6章)でこの点について反論しています。(6:1,15)-

まとめ:神の恵みは人の罪を圧倒する
神様はイスラエルとの関係においてご自分の約束に忠実であられます。神様の義はゆるぎないものであり、信頼できるものです。しかし、神様の忠実さは究極的には(イスラエルではなく)ご自身とご自身の約束に対するものです。神様は、罪を犯すご自分の民を罰し、従順に報いることにおいて、常にまったく正しいのです。しかし、この事実は(神の義を示すからと)罪を犯す言い訳にはなりません。そのような姿勢は神様の御名に不名誉をもたらします。
クリスチャンは神様の恵みを誤解してはなりません。神様の最大の関心はご自分の栄光なのであり、私たちの祝福ではないのです。神様の義はさばきをされる時に、また救いをお与えになる時に美しく示されます。神様は、罪に対しては戒め、懲らしめることを約束され、信仰と従順には祝福を約束しておられます。みことばの約束に立つ私たちは、神様の豊かな恵みからそれらの約束が流れ出ていることを忘れてはならないのです。

 

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