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イエス様を信じ救われ、聖徒の立場をいただいたクリスチャンは、聖化の過程を、“イエス様に似た者となるように”と歩んでいますが、神様が求めておられる聖さとは、“罪のない完全さ”を意味してはいません。
旧約時代を生きたノアは、「全き人」（創世記6:9）と言われていますが、彼は罪を犯さない完璧な人ではありませんでした。（創世記9:21）ヨブも正しい人ではありましたが（ヨブ記1:1）、自分の罪深さを認めています。（ヨブ記42:6）神様は、アブラハムに「全き者」（創世記17:1）であるようにと命令されていますが、これは、“誠実な心とまっすぐな目的”をもって神様の前を歩むようにという意味で言われていることです。イエス様が命令しておられる「完全」（マタイ5:48）が、“完全に神様に似た者となること”を意味しているのであるなら、歴史上この命令を守った人は存在しません。使徒パウロは同じ段落の中で、“完全である”ことと、“完全ではない”ことを言っています。パウロが意味するところは、神様の前においては（信じた時から）聖い立場を与えられているという面と、実際の歩みにおいて“完全さ”は限定的であるという面が存在すると言うことです。（ピリピ3:12-15）
聖さにおける完全は、この世ではなく終わりの時に達成される一つの目標です。（コロサイ1:28; 4:12）それゆえ、絶対の完全性がこの世において期待されるべきものではないのです。
それでは、絶対の完全性、究極的聖化とはどのようなことを意味するのでしょうか。
究極的聖化：それは罪からの完全な解放― これは神様の前における立場ではなく現実です。やがて信仰者が文字通り完全な存在として扱われる時がやってきます。（ヘブル12:23）イエス様がご自分を信じる者たちを迎えに来られる時、クリスチャンは道徳的にイエス様のようになり、性質という意味においてイエス様のかたちに似た者とされるのです。（Iヨハネ3:2）この世で経験するところの、一切の汚れ・罪・病気・悲しみ・死から解放されるのです。これはクリスチャンに与えられている大きな希望です。この変化は、イエス様を実際に見ることによって起こるのです。イエス様を見ることは、イエス様と似た者になることを意味しています。聖化の過程が完了しているゆえに、イエス様のありのままの姿を見ることができるとも言えます。
イエス様が再び来られるのは（罪の問題の解決のためではなく）クリスチャンを天の御住まいに連れ帰るためです。（ヘブル9:28）その時、私たちの救いは頂点（ピーク）に達します。栄光のからだをいただいて、永遠に罪の影響が及ばないところに移されるのです。
クリスチャンのからだは、天の御国に相応しい、栄光に輝くものへと変えられます。（ピリピ3:21）
これこそが、クリスチャンのからだと人格の完全な変化に対する望みです。（すでに霊とたましいの贖いを経験している者が）からだの贖いを経験し、栄光のからだを受ける時、完全な意味において神様の子どもとなるのです。
（ローマ8:23-24）
まとめ：イエス様に似た者になるとの約束は、聖い歩みへの大きな動機付け
クリスチャンが究極的聖化に到達する時、神様に完全に服従する者となります。神様に従うことを妨げる罪の性質はもはや消滅しているからです。
クリスチャンは、イエス様にこの望みを置いているのです。そしてそれゆえに、地上に生かされる限り、神様がお求めになる聖さを追求していくのです。（Iヨハネ3:3）罪に勝利し、神と人に愛をあらわす歩みをする者は確信をもって神様の御前に立つことができます。
究極の聖化、栄化の希望と約束をいただいている者としてあなたはどちらを選ぶでしょうか。聖徒の立場だけのクリスチャンとして生きるか、聖徒と呼ばれるに相応しい、実りある生き方をするか。
