選ばれた者の特権②(I ペテロ 1:1~2)

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ペテロはイエス様の弟子の中でも一番イエス様に近い存在の一人でした。イエス様の質問には、弟子たちを代表するように答え、イエス様にはどこまでもついていくつもりであることを公言していました。イエス様が逮捕されそうになった時には、実力行使でもってイエス様を守ろうとさえしました。そんな彼が、イエス様との関係を問われた時、3度までも否定してしまったのです。彼はイエス様に愛されながら“しくじって”しまいました。しかし神様は、彼を再び立ち上がらせ、福音宣教のために用いてくださいました。また神様は彼に聖書の一部を書かせたのです。このようなペテロであるからこそ、その手紙は信仰者への励ましとなる部分が大きいのでしょう。
ペテロが手紙の冒頭で、受取人であるクリスチャンたちを「選ばれた者」と表現し、そこには父なる神様の予知と御霊なる神様の聖別が含まれていることを述べました。今回は「選ばれた者」に含まれている残りの二つの部分を学びます。

「イエス・キリストに従うように」選ばれた:「従う」ことは、すでに学んだ御霊(聖霊)の働きに対する応答です。それは、自分自身の罪の悔い改めと救い主イエス様に対する信仰による福音への服従を意味します。クリスチャンは、罪の歩みをしていたところから、神様の道へと移され、イエス様に従うことが可能となった人です。本当に救われている人は、イエス様に従うという実を生み出します。(エペソ2:10; Iペテロ4:19)
従うためには信頼関係が必要となります。人は神様のみことばに触れることで、神様を知り、イエス様を知ることができます。イエス様と自分との関係を知り(関係を悟り)信じることができます。人は信じた時に、主のみわざに対して深い感謝をもちます。同時に救いを可能とされたお方についていく決心をします。この、信じること、従うことへと導かれたのも神様なのです。以前は自分が良しとするところに従って生きていました。しかし、従う対象が変わりました。まことの神様の権威を認め、謙る人になったのです。

「血の注ぎかけを受けるように」選ばれた:「血」は昔モーセが行ったことに基づいています。(出エジプト記24:3-8)モーセを通じて神様のことばがイスラエルの民に届けられました。民は神様との「契約の書」に従う意思表明をしました。モーセはいけにえの血を民に振りかけ、この契約を確かなものとしたのです。
ここでの「血の注ぎかけ」は、今を生きるクリスチャンにとっては比喩表現です。神様からの福音に従う(救いの道を信じる)時に、イエス様が、十字架で血を流されたことから生じる恩恵を人が手にするということです。人はイエス様を信じたことにより、赦され、贖われ、神様だけが与えることのできる祝福をいただいたのです。これはクリスチャンにとって新しい契約です。血を流して死なれたイエス様に信仰を置く時、罪の完全な贖いの約束が実施されます。それだけでなく、クリスチャンの、イエス様とみことばへの従順を約束する契約関係が成立します。クリスチャンは、イエス様の血によってきよめられ、赦された者たちです。
イエス様は鞭打ち・棘の冠・釘付け・槍突き等により血を流されました。一つ一つの流血に痛みと苦しみが伴います。血はいのちを象徴しますが、そのいのちが罪人の救いのために差し出され、絶大な効果をもたらしました。
イエス様の十字架の下に行き、“血が注ぎかけられる”ことをイメージしてみましょう。流血のイエス様のもとへ行くことができたのは慈しみ深い神様の恵みであることを覚えましょう。

「恵みと平安」は自分自身の内側からではなく、外から与えられるものです。クリスチャンは救われたことで恵みを経験し、神様との平和をいただいていますが、日々の歩みの中で、様々な悩みや問題が生じ対応を迫られる中で、神様の恵みと神様だけが与えることができる平安を必要としています。それを認識するペテロが、これらについての豊かさを神様に願っているのです。

まとめ:イエス様の十字架の苦しみは、信じる恵みと赦される恵みを実現した
救いにおける選びには、尊い神様によるみわざが含まれています。神様はあらかじめそのことを定めておられ、特別にとりわけてくださり、信仰へと導き、赦しを確かなものとしてくださいました。クリスチャンは(動物の血ではなく)イエス様の血によって神様との契約関係に入れられています。この恵みを未だ経験していないのであれば、神様の救いの招きに応じましょう。すでに経験しているのであれば、選ばれた特権を感謝し、神様の恵みと平安を求めつつ、日々歩みましょう。

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